Fuji Taito(フジ タイト)は日本のラッパー。「Fuji Taito」の名前は、彼が中学生のとき親交が深かった先輩の本名を想像してつけたもの。

来歴

群馬県大泉町で誕生。両親はブラジル出身で、父親は20歳、母親は15歳のときに来日した。母親は工場で勤務しており、人材派遣会社で勤務していた父親と仕事を通じて知り合った。12歳のとき、鉄パイプで喧嘩相手を殴ったことをきっかけに、喧嘩相手の友人であった「フジタイト」から脱法ドラッグ製造にあたっての、捕まりにくい年齢の実働部隊にスカウトされる。Fuji Taitoは中学の3年間を先輩のフジタイトとともに過ごし、兄弟のような関係で仲良くしていた。中学生の頃、ラジオで聴いたGucci Maneの『Bingo』をきっかけにラップミュージックを知る。自分でもラップを始めたのは先輩にラップをするよう言われたのがきっかけだった。Fuji Taitoが中学校を卒業する頃、「フジタイト」はビジネスが失敗したために死亡した。

この経験により「ゼロった」Fujiは、高校に入学してから本格的にラップを始めることになる。高校1年生のとき、第1回BAZOOKA!!高校生ラップ選手権に「CoRoN」の名前で参加した。Fujiは第1回の第1戦目でT-Pablow(当時はK-九)に「めちゃくちゃコテンパンに」敗退する。その後もラッパーとしてキャリアを積み重ねていくT-Pablowを見て、Fujiはこのまま「いちばん」になる彼とは別のルートで「いちばん」になる決意を固めた。2016年には高校の友人と結成したヒップホップ・コレクティヴ、UMAの一員としてGRAND MASTERのコンピレーション『SUPER NOVA』に参加した。2017年にはLDH主催のVOCAL BATTLE AUDITIONに参加し、ラップ部門でファイナリストに残っている。同年暮れにはEP『BANGAZ』をリリースした。

『BANGAZ』は当時隆盛を誇っていたXXXTentacionらサウス・フロリダ勢のサウンドと、Fujiが「日本語を最も上手く暴力的に使っており、さらに感動する、最強の日本語ラップ」であると評価するANARCHYのリリックを掛け合わせるイメージで制作された。「Fuji Taito」の名義はこのEPではじめて使われた。その後、UMAは「BRIZA」に発展する。BRIZAは2019年8月に『BRIZA I』、同年11月に『BRIZA II』、翌年2月に『BRIZA III』と、短い期間に3本のEPをリリースした。

2022年2月4日、ZOT on the WAVE & Fuji Taito名義で「Crayon」を配信でリリース。 Billboard Japan Heatseekers Songsでは最高位2位を記録しトップ10に複数週ランクインするなどし話題となる。

音楽性

自分の音楽がジャンルの一部としてでなく、「自分という時代」そのものとして受け取られるようになりたいと語っている。売れているアーティストのスタイルはとりあえずすべて体に取り入れてみて、自分に合うかどうかを試しているとするが、影響を受けたアーティストの具体的な名前としてはXXXTentacion、中学生のときに聴いたGucci Maneと50 Centを挙げている。日本のラッパーではANARCHYの楽曲を評価している。

編集者の二宮慶介は2019年を代表するパンチラインのひとつとして『Top Freestyle』の「売れなくても死なないが / 死んだやつらが許すと思うか」を挙げ、「このフレーズから彼のハードなバックグラウンドが浮かび上がるんです」と評している。日高光啓も2019年のベストトラックのひとつに『Top Freestyle』を選び、同曲の「生の野望に聴者を乗せて引っ張っていく」歌詞を「ヒップホップが持つパワーが日本でどう実現されているかのカッコいい証拠」であると評した。

ディスコグラフィ

シングル

参加楽曲

脚注

注釈

出典

参考資料

  • 磯部涼 (2019年7月3日). “【Rappers Update Vol.4】Fuji Taito”. FNMNL. 2021年4月17日閲覧。
  • Keita Takahashi (2019年12月16日). “Red Bullがキュレートする“その場限り”のマイクリレー《RASEN》#3 参加ラッパーたちのプロファイル ④”. Red Bull. 2021年4月17日閲覧。

外部リンク

  • フジタイト (@fujitaito) - X(旧Twitter)

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