三箇町(さんがちょう)は、愛知県豊田市の町名。

概要

豊田市の北西部に位置し、藤岡地区(旧西加茂郡藤岡町の町域にほぼ相当する)に属する。全体的に山がちで、南北に長い町域を持ち、南部では町境付近に木瀬ダムとダム湖であるしらさぎ湖があり、北部は岐阜県土岐市鶴里町と接する。町域の中央部を縦貫する三箇川とそれにほぼ併走する愛知県道13号豊田多治見線沿い、及び同線が同じく町域のほぼ中央部を西進する愛知県道353号大平折平線と重複・交差する付近に、人家が疎らかに集まっている。愛知県道13号は深い山林の中を北進するが、県境上付近には広漠とした平坦地があり、土岐市南部の盆地に連続している。

大正期には陶土材料である石粉の製造が盛んであったが、昭和期に入り衰退する。

歴史

沿革

  • 江戸期- 寛永期の『三河国村々高附』においては「加茂郡三ヶ村」、天保期の郷帳においては「加茂郡三箇村」という表記が見受けられる。
  • 1635年(寛永12年)当時- 幕府領であった。
  • 1698年(元禄11年)当時- 旗本久永信豊の知行地となる。
  • 1871年(明治4年)- 大区小区制施行により、第4大区第3小区に所属する。
  • 1878年(明治11年)- 郡区町村編制法施行により、加茂郡が西加茂郡と東加茂郡に分割される。これに伴い、三箇村の所属が加茂郡から西加茂郡に変更される。
  • 1884年(明治17年)7月- 戸長役場設置に伴い、三箇村、石畳村(いしだたみむら)、大岩村(おおいわむら)、折平村(おりだいらむら)、上渡合村(かみどあいむら)、木瀬村(きせむら)、白川村(しらかわむら)、西市野々村(にしいちののむら)、北曽木村(ほくそぎむら)の9村が同組に組み込まれる。
  • 1889年(明治22年)10月1日- 市制・町村制施行に伴い、三箇村、石畳村、大岩村、折平村、上渡合村、木瀬村、白川村、西市野々村、北曽木村の9村が合併して西加茂郡高岡村が誕生し、三箇村は高岡村大字三箇に継承される。
  • 1906年(明治39年)4月1日- 高岡村、富貴下村の内3大字、藤河村が合併して藤岡村が誕生し、高岡村大字三箇は藤岡村大字三箇に継承される。
  • 1978年(昭和53年)4月1日- 藤岡村の町制施行に伴い、住所表示が藤岡町大字三箇に変更される。
  • 2005年(平成17年)4月1日- 藤岡町の豊田市への編入に伴い、住所表示が豊田市三箇町に変更される。

世帯数と人口

2019年(令和元年)7月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである。

人口の変遷

国勢調査による人口の推移

学区

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる。

寺社

  • 八柱神社
1575年(天正3年)の創建といわれる。境内には1773年(安永2年)の銘のある常夜灯や、『安政三丙辰晩春吉辰、奉再建拝殿一宇』と記された棟札を持った舞台が残っている。
  • 白山神社
  • 曹洞宗永平寺末慶昌寺(けいしょうじ)
山号は祐克山。本尊は十一面観世音菩薩(1539年(天文5年)の銘を持つ)。1571年(元亀2年)に天桂良貞による開基、1734年(享保19年に月船漂光による開山とされる。
  • 弘法堂
筋向かいには榎一里塚が残っている。

文化財

指定文化財

天然記念物

  • アラカシ
豊田市指定。1974年(昭和49年)2月10日指定。個人が管理。
  • カヤ
豊田市指定。1974年(昭和49年)2月10日指定。個人が管理。

名木

  • ニレ科エノキ
豊田市指定名木。樹高8.0m、樹齢100年以上。所在地は三箇町石田。
  • スギ科スギ
豊田市指定名木。樹高31.0m、樹齢500年以上。所在地は三箇町森前14。

その他の文化財

散布地

  • 訳地(わけじ)遺跡- 縄文時代
  • 中畑(なかばた)遺跡- 縄文時代

古窯

  • 田野尻窯- 近現代

その他

日本郵便

  • 郵便番号 : 470-0402(集配局:藤岡郵便局)。

脚注

出典

参考文献

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。 
  • 有限会社平凡社地方資料センター 編『日本歴史地名体系第23巻 愛知県の地名』平凡社、1981年。ISBN 4-582-49023-9。 
  • 『豊田加茂7市町村の合併の記録』、豊田市、2005年。
  • 深津重貞 「豊田加茂の地名」、1991年。

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